■4人はロシアワールドカップで戦った23人のメンバー
ピッチに座り込んだままの山口を、酒井はねぎらい、背中を叩くと、手を伸ばして立たせた。槙野や酒井高徳にも背を叩き、話しかけた。酒井は、3人がインタビューに入るまで言葉を交わしていた。延長まで戦い抜いた山口らをねぎらうように、なぐさめるように、うなづいていた。
試合前ながらも見せた酒井のこの漢気行動は、SNS上でも絶賛された。
「器が違うんですよ器が」
「ヒロキありがとう。これ見て死んでた心が少し和らいだ」
「酒井宏樹さすがすぎる」
「絵画みたいですね」
「普段じゃあり得ない光景だね」
4人は、ロシアワールドカップで戦った23人のメンバーだ。酒井にとって、3人の敗戦は他人事ではなかったのだろう。
その後、浦和はパトゥムと対戦して快勝。準決勝に進むことが決定した。相手は、神戸に競り勝った全北現代だ。25日に埼玉スタジアムで行われるこの試合で、酒井が3人の敵を晴らしてくれるはずだ。