■アピール度抜群の藤田

――相馬以外の選手はどうですか。

大住「西村拓真は使いようがあると思うけどね。あれだけ前からプレスをかけ続けて、しかも奪った後にもちゃんとプレーができるというのは、すごく頼もしいと感じた。西村がいるといないで、最終戦は随分違うものになったんじゃないかな。あのトップ下のポジションでプレスがかかる、強くいけるというのは、チーム全体の守備と攻撃のベースになっていたから。あれだけ影響力を持つ選手というのは、今の日本代表にとって貴重じゃないかと思うけど。あとは藤田譲瑠チマだよね。韓国戦の前半にはミスも出たけど、試合をやっている間にどんどん怪物ぶりを発揮していったよね」

後藤「一昨年に東京ヴェルディでブレイクしていた頃に、よく一緒に見ている記者と“カタールに間に合うかな”と冗談で言っていたけど、本当に連れていってほしいと思うくらいにすごいよ」

大住「Ｊリーグで見ていて、そう思ったけどね」

後藤「そうそう。今年に入って伸びたよね」

（4）へ続く
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大住良之

おおすみよしゆき

大住良之

1951年神奈川県横須賀市生まれ。中学1年生のときに校内誌の編集部にはいり、中学３年からはかけもちでサッカー部でも活動。大学卒業４年生の1973年から『サッカー・マガジン』編集部で働き、1982年以降はトヨタカップなどのチーム取材で欧州と南米の強豪クラブを取材。1988年にフリーランスとなる。以後は日本代表とＪリーグの取材が中心となるが、ワールドカップは1974年ドイツ大会から、オリンピックは1996年から取材。『東京新聞』や「日経電子版」などコラムを書く一方、1984年以来東京の女子サッカークラブ「ＦＣ　ＰＡＦ」の監督を務める。ＪＦＡ公認Ｃ級コーチ、サッカー４級審判員。

後藤健生

ごとうたけお

後藤健生

１９５２年東京生まれ。１９６４年１０月に東京五輪で初めてサッカーを観戦（ハンガリー対モロッコ）。以後、「日本サッカー冬の時代」にも飽きもせずにサッカーを見続けてきた。１９７４年、初めてＷ杯を現地生観戦。ベッケンバウアーとクライフの対決を見届ける。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の９０年』（２００７年、双葉社）、『国立競技場の１００年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』（２０１３年、ミネルヴァ書房）、『森保ジャパン　世界で勝つための条件―日本代表監督論』（２０１９年、ＮＨＫ出版新書）など。