■否決された名称

　そして３月２３日、ＦＡカップ決勝出場のウェストブロミッジ・アルビオンとプレストン・ノースエンドを含む１０のクラブがアンダートンホテルに集まった。そして矢継ぎ早に４月１７日には２回目の会合がマンチェスターのロイヤルホテルで開かれ、１２クラブが参加してその秋に最初のシーズンをスタートすることが決められた。

　奇妙なのは、名称についてである。マグレガーは、３月２日の手紙のなかで新しいグループの名前を「アソシエーション・フットボール・ユニオン」と表現していた。しかし２回の会議で決定した名称は、「フットボール・リーグ（Ｔｈｅ Ｆｏｏｔｂａｌｌ Ｌｅａｇｕｅ）」だった。「ユニオン」という名称は、１８７１年に誕生した「ラグビー・フットボール・ユニオン」に似すぎているという理由で否決されてしまったのだ。「フットボール・リーグ」の初代チェアマンは、もちろん、マグレガーだった。

（4）へ続く
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大住良之

おおすみよしゆき

大住良之

1951年神奈川県横須賀市生まれ。中学1年生のときに校内誌の編集部にはいり、中学３年からはかけもちでサッカー部でも活動。大学卒業４年生の1973年から『サッカー・マガジン』編集部で働き、1982年以降はトヨタカップなどのチーム取材で欧州と南米の強豪クラブを取材。1988年にフリーランスとなる。以後は日本代表とＪリーグの取材が中心となるが、ワールドカップは1974年ドイツ大会から、オリンピックは1996年から取材。『東京新聞』や「日経電子版」などコラムを書く一方、1984年以来東京の女子サッカークラブ「ＦＣ　ＰＡＦ」の監督を務める。ＪＦＡ公認Ｃ級コーチ、サッカー４級審判員。