■お互いを心底応援できる時代へ

 一方、ワールドカップでどうしても勝利することができなかったラグビーの日本代表だったが、2015年のイングランド大会の初戦で強豪南アフリカを倒すという、“世紀の番狂わせ”を起こして見せた。これは、ジンバブエ戦の勝利以来、実に24年ぶりの勝利だった。そして、この大会で日本は3勝1敗という成績を残し(それでも、グループ3位に終わった)、さらに4年後の2019年日本大会ではアイルランドとスコットランドという伝統国を破って3戦全勝、グループ首位で準々決勝進出を果たしたのだ。

 こうして、サッカーもラグビーも、ワールドカップという舞台で世界の強豪と戦ってグループリーグ突破を果たせるまで強化されてきた。そして、現在はともに決勝ラウンドの初戦を突破するのが目標となっているのだ。

 つまり、今ではサッカーもラグビーも「同じ目標」を目指して戦っているわけだ。ようやく、2つのルールの異なったフットボールが、お互いを心の底から応援しあえる時代がやって来たようだ。良きライバルであるラグビーの日本代表に負けないように、サッカーの日本代表にはカタール大会でグループリーグ突破を目指してほしいものである。

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