今後、交代枠を減らすことは難しいだろう。
そうなったら、その“新ルール”をどのように利用するかが勝負のカギを握ることになる。選手層が厚いビッグクラブだけでなく、戦力が劣るプロビンチャーレのクラブにとっても、この5人交代制を上手く使ってビッグクラブに対抗する術も見出されるかもしれない。
札幌戦で、「5人交代制」をうまく使ってみせた鬼木監督。これからも、川崎の勝ちパターンとして、定着していきそうである。
■まだまだ物足りないポイント
「強い川崎が戻ってきた」。
これが、札幌戦の印象ではあるが、しかし、昨シーズンの川崎にはまだまだほど遠いのも事実だ。
得点場面だけを見れば、川崎らしいゴールが見られたが、鬼木監督にしてみれば「攻撃の回数」はまだまだ足りないだろう。
昨シーズンまでのように、ひとたびボールを握ったら容易にボールを渡すことなく、自陣でゆっくりとボールを回しながら相手陣内に隙ができるのを待つことはまだできていない。今の川崎では、自陣でボールを回す中で、いつ失ってもおかしくない危険性がある。相手チームも、昨シーズンまでのように川崎をリスペクトし過ぎることはない。川崎が相手でも、しっかりと前からプレスをかけてくるようになった。