【リヴァプール対レアル・マドリード 5月28日】
「キックオフの遅延」がスクリーンに掲示されたのは、オープニング・セレモニーが開始される直前だった。
決勝は通常のオペレーションで、観客と同様にフォトグラファーもマスクは必要なく、メインスタンド側で集合写真やセレモニーを撮ったりできる。
バックスタンド側のタッチライン撮影ポジションからメインスタンド側に移動しようとした時だった。スタッド・ドゥ・フランスのスクリーンの掲示に驚きと不満の声が上がった。
それは「ファンの到着遅れによるもので、15分後に告知する」というものだった。
「なんだ、電車が動いていないからか」と思った。実は、この日は動くはずだったCDG空港と北駅を結ぶ電車RERのBラインが工事中で動かず、私は仕方なくDラインに乗ってスタジアムに着いた。別にメトロもあるから、3分の2は動いているという勘定だが、「試合の日はちゃんと動かせよ」くらいに思った。
ところが、原因はそうではなく、偽造チケットを持ったリヴァプール・ファンの殺到で正規のチケットを持ったファンが入場ゲートで足止めを食っているというものだった。