■セブンイレブン「水師営」支店に驚愕

 中国遼寧省の港町、大連を訪れた時も「水師営」がバス停やコンビニの店名になっていたので驚愕しました。セブンイレブン「水師営支店」というのを見つけたのです。

 これは日本史の教科書に出てくる地名です。

 大連は1899年にロシアが建設した港町です。ロシアは極東に冬でも利用できる「不凍港」を確保したかったのです。そして、ロシアはこの町を「ダーリニー」と名づけました。ロシア語で「遠い」という意味だそうです。そして、中国人がそれに漢字を当てて「大連」という都市名が生まれたのです。

 1904年には朝鮮半島の覇権を懸けて日本とロシアは戦争を始めます。「日露戦争」です。東郷平八郎提督率いる連合艦隊が日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破し、乃木希典(のぎまれすけ)大将が率いる陸軍は大きな犠牲を払いながらも大連にある旅順港のロシア軍を降伏させます。その時、ロシア軍のアナトーリ・ステッセル将軍との間で降伏のための交渉が行われたのが水師営という所でした。

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