後藤健生の「蹴球放浪記」第111回「“NATO”って、バス停の名前?」の巻(2)歴史の教科書から飛び出したコンビニの店名の画像
水師営会見場は立派な観光地になってる(あまり観光客は来ていなかったが) 提供/後藤健生

 さまざまな交通手段があるが、国外でのバスの旅は格別だ。サッカージャーナリスト・後藤健生は、そう語る。土地を知り、人を知ることで、取材旅行はより豊かなものになっていく。

■ギクリとさせられる道路標識

 その他、歴史の教科書で習った地名がバス停になっていたり、コンビニの店名になっているのに出くわしたことも何度かあります。日本で言えば「桶狭間」とかの類ですね。今は廃止されてしまっていますが、名鉄本線には昔「桶狭間駅」があったそうです。東海道線には今でも「関ケ原」駅がありますね。

 たとえば、サウジアラビアのジッダに行った時には、街中の青い案内標識に白い矢印とともに「マッカ」と書いてありました。「メッカ」としても知られているイスラム教の聖地。預言者ムハンマドが生まれた街です。イスラム教徒は世界中どこにいても、このマッカの方向に向かって祈りを捧げます。つまり、彼らにとってここは世界の中心なのです。そして、ここはイスラム教徒以外は立ち入り禁止。僕たち異教徒が観光に行くことはできません。

 もちろん、マッカは都市名なので案内標識に書いてあって当然なのですが、やはり聖地「マッカ」がただの地名として案内標識に書いてあるとギクリとするのです。

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