■ストライカーがすべきこと
そして、そうしたばかげた「ゴールパフォーマンスの心理」は、決定機を逃したストライカーたちの大げさなジェスチャー、モリスが言うところの「遮断」や「自分を慰める」ジェスチャーの背景にある心の動きと表裏一体をなしている。ひとことで言えば、そのストライカーの「弱さ」である。情緒の振れ幅が大きく、それを自らコントロールすることができないのである。
私は、シュートを外した後にも平然としているのが、ストライカーのあるべき「ふるまい方」だと思っている。そうした自己抑制の強さこそ、ストライカーの条件ではないか。3本打って1本決めればいいのなら、いまシュートを外したという事実など何の意味もない。一瞬も早く次にくるチャンスに備えることが、そのときになすべきことであり、「遮断」や「自分を慰める」行為はその「敵」とも言うべきことではないか。