それぞれのFWは個性的だ。

 たとえば、昨シーズンまで王者、川崎フロンターレで準レギュラーとしてJ1連覇に貢献してきた長谷川竜也はテクニックあふれるドリブルを駆使して攻撃を組み立てている。また、小川はシャドーでプレーする場面では遠目からシュートを狙うことで持ち前のシュート技術を発揮できているようだし、伊藤もシャドーストライカーの位置から中盤に下りて攻撃の組み立てに参加してみたり、前線からの激しいプレッシャーで攻守に貢献。これまでの伊藤とは一味違うプレーを見せている。

 こうしたFWの組み合わせによる攻撃の多彩さは、現在の横浜FCの最大の魅力と言っていいだろう。

■冷静さが光る小川のシュート

 山形戦でも琉球戦でも、横浜FCは早い時間の得点で優位に立つことに成功した。

 山形戦では19分に小川の強烈なドライブシュートが炸裂した。

 中盤の深い位置で手塚からのパスを受けた小川は、相手MFのチャレンジをかわして前を向くと、さらにDF1人をかわして約25メートルの位置から思い切って振りぬき、ドライブがかかったボールがGKの頭上を抜けてクロスバーすれすれに決まった。

 後半の追加点も小川だった。交代で出場したばかりの伊藤が山形のDFに対して後方から強烈なチャージを仕掛けてボールを奪い、ペナルティーエリア内で相手DFとGKを引き付けてから小川にパス。小川がGKが飛び出した後の無人のゴールに決めたもの。

 2点目は半分以上は伊藤による得点だったが、相手DFがシュートコースを消そうと懸命に戻ってスライディングを仕掛けてくるのを確認して、冷静にコースを狙って流し込んだあたりは小川の冷静さが光った。

 距離がある所からでも果敢にシュートを狙ったり、ゴール前で冷静にコースを狙ったり、この辺りが好調のFWらしいところだ。

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