■現代のサッカーに必要なもの

――周囲を活かして活きるタイプだけに、連係がなくて苦しんだ面もあるのでは。

大住「そうじゃない。柴崎のプレーは、ああいう感じだから」

後藤「もしも使うなら、周囲にカバーできる選手を配置して、特別な柴崎バージョンの戦術を組むならアリかもしれないけど、今からそんなことはあり得ないでしょ。高校時代から、隣には副官がいて守備を免除されるという使い方をされてきたわけ。代表でも起用するなら、周りに守備のできるボランチを2人くらい置いて、王様として自由にやってもらうしかない。でも、森保監督のチームはそうではない」

大住「だから今回、後半からダブルボランチにしたのかもしれない。でも、それでもワールドカップで通じないことは、もう分かっている」

後藤「そういうことが通じるのはマラドーナだけだよ。もう時代が違う。1980年代だったらすごい選手だったかもしれないけど」

大住「今のサッカーは、“速さ”が基本だからね」

後藤「そう、速くて厳しいパスが前線にピタッと収まらないと」

大住「“速い”というのは、頭の回転の“早さ”なんだよね」

後藤「速いプレーの中で遅くすることも有効だし、ただ速ければいいというわけではない」

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