■マジョルカのベストプレーヤー
その後も、守備では6分にルーズボールを追いかけながらロドリゴと激しくやり合い、顔にロドリゴの手が入って久保がダウン。攻撃では16分に、左サイドでフェデリコ・バルベルデとの1vs1を迎えると、久保のドリブルに対してボールを蹴り出そうとしたバルベルデがチャレンジに失敗しイエローカード。レアルを相手にした格下チームの戦い方で進む試合の中で存在感を失わず、左で起用された意味はあった。
チームの重心がより低くなっていく中でも、21分には自陣の低い位置でボールを持ったところでロドリゴと対峙。ここで浮かせてかわそうとしたボールがロドリゴの腕に当たりファウルとなったように、守備をこなしながら低い位置からでも仕掛ける姿勢を見せ続けた。
33分には珍しい場面もあった。左サイドで手を上げてアピールする久保に対し、右サイドのパブロ・マフェオからロングパス。やや大きすぎたボールはラインを割ってしまったが、ここからもボールを左サイドに回す、右サイドでは持ちすぎない、というチームの対レアルの姿勢が見てとれた。
ちなみに、この試合のマフェオはマジョルカのベストプレーヤーとなった。ヴィニシウスに対してマンツーマンの守備で大活躍。イエローカード1枚まではOKという激しさを見せながら、結果としてカードを受けずに前半を折り返した。
それだけでなく、攻撃でも数少ないチャンスで思い切りよく上がってエリア内に走り込み、シュートがポストに嫌われてしまったものの、結果としてこの試合マジョルカにとって最も得点に近づいた場面を生んだ。2失点目のPKはマフェオが与えたものだが、これはPKにしなければゴールという場面だったため、それまで受けていなかったカードを受けることで、PKストップによって0-1が続くことに賭ける方がより確率が高かった、というクレバーな理由からのものだった。