【ラ・リーガ分析】久保建英がレアル戦「4-4-2」の左サイドで起用された理由【サッカー日本代表・マジョルカ久保建英の対レアル・マドリード戦】(1)の画像
マジョルカ久保建英とレアル・マドリードのカリム・ベンゼマ 写真:なかしまだいすけ/アフロ

【ラ・リーガ マジョルカvsレアル・マドリード 2022年3月14日(日本時間29:00キックオフ)】

 自身の保有元であるレアル・マドリードを相手に、マジョルカの久保建英が先発出場。

 この日のポジションは、定番の4-2-3-1の右サイドでもトップ下でもなければ、前回のようなベダト・ムリキとの2トップでもなく、フラットな4-4-2の左サイドだった。

 なぜ左なのかというと、ムリキとの2トップは機能しなかったためお蔵入り、ボールを持てる時間が少ないであろうことから、トップ下よりプレーに関わりやすいサイドでの起用、そしてなにより、レアルの左サイド(マジョルカの右サイド)がフェルラン・メンディとヴィニシウス・ジュニオールのコンビにトニ・クロースが絡むという強力な構成のためだ。

 彼らに対して守備に追われるから、というだけでなく、チャレンジしてボールを失った時に一気に大ピンチを招く、という可能性を低くするためでもある。相手の脅威から離れたところでチャレンジする、というのは定石だ。 

 試合が始まると、久保は左で起用されたメリットを、攻守で感じさせるプレーを立て続けに見せる。

 まずは開始1分の守備の場面だ。久保はルーカス・バスケスに対して体を寄せてフィジカル勝負。押し合いで久保がファウルを取られたが、いつもとは守備強度が違うことを感じさせると同時に、このサイドでの守備ならば十分に渡り合えることを示した。

 攻撃では5分、左サイドで浮き球に抜け出した久保は、後方からのボールを見事なトラップでコントロール。縦に全速力で走るスピードを落とさないままクロスを狙ったが、これはカゼミーロが後方から強引に止めた。突破が可能ということよりも、こちらのサイドならばチームメイトもボールを動かすことが可能、ということがわかる場面だった。

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