「10年来のコンビ」のようだったパリ五輪世代・藤田譲瑠チマと山根陸のダブルボランチ【「横浜F・マリノス×ヴィッセル神戸」希有な好ゲームはなぜ生まれたか】(2)の画像
20歳ながら堂々としたプレーを見せた藤田 撮影:原壮史

 試合間隔の短い連戦で、顔ぶれもがらりと変わっている。昨季上位同士の対戦ながら、開始前は疑問符も浮かんだ横浜F・マリノスヴィッセル神戸の対戦だったが、ふたを開ければ希有なほどの好ゲームとなった。これほどまでの素晴らしい試合となった理由を、サッカージャーナリスト・大住良之がひも解く。

■新戦力・西村が示した可能性

 横浜FMは右サイドバックの松原健が起点になって宮市亮を走らせ、右サイドを連続突破、20分には宮市からアンデルソン・ロペスに決定的なパスが通った。神戸の左サイドバックは守備の中心と言っていい酒井高徳。その酒井を置き去りにする宮市のスピードは、大きな可能性を感じさせるものだった。ペースをつかんだ横浜FMは、こんどは左から小池裕太が攻め上がり、チャンスをつくる。29分には、相手陣左で西村拓真がボールを奪い、仲川輝人を経由して最後はアンデルソン・ロペスがシュート、右ポストを直撃した。

 38分、横浜FMが均衡を破る。西村が左を突破してクロスを入れようとしたところを扇原貴宏が防ぎ、横浜FMにこの試合2本目のCK。左利きの小池裕がけったボールが西村の頭にピタリと合った。神戸は最初山口蛍が西村をマークしていたが、目の前に最もヘディングが強いエドゥアルドが上がってきたため山口はマークを切り替えた。西村はフリーになり、力強くヘディングシュートを決めた。

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