後藤健生の「蹴球放浪記」第100回「ウクライナ・リヴィウ市を巡るサッカー史」の巻(1)EURO2012の開催4都市中でも趣が異なる理由の画像
印字は薄れてしまったが、EURO2012の記者席用入場券 提供/後藤健生

 ロシアのウクライナへの侵略に、世界の視線が注がれている。首都キエフとともによく名前の聞かれるようになった「リヴィウ」。本来は戦地だからではなく、それ以外の理由で名を知られるべき街の歴史を、蹴球放浪家・後藤健生が語る。

■ロシア軍が示した非道さと無能ぶり

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は依然として、ウクライナへの侵略を止める気配がありません。しかし、ウクライナ軍も勇敢にこれに対して反撃しているようですし、アメリカ側の情報によればロシア軍は燃料や食糧の補給が滞って「立ち往生」しているといいます。もし、これが本当なら、ロシア軍はその非道さとともに、その無能ぶりをも世界にさらし出してしまったということになります。

 本国(およびベラルーシ)からわずか100キロくらいの距離の前線に満足な補給ができないなんて、およそ近代的な軍隊では考えられないことですよね。

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