後藤健生の「蹴球放浪記」第98回「ブエノスアイレスで道に迷ったのはなぜ?」の巻(1)多くの競技が「時計回り」で行われるのはなぜかの画像
坂道だらけのローザンヌでのユーゴスラビア戦入場券 提供/後藤健生
■【画像】太陽が「右から左に」移動して沈んだリバープレート・スタジアムの夕焼け

 サッカーの取材は、フィールドワークである。サッカー・ジャーナリストであり、蹴球放浪家の後藤健生は、サッカーの街を歩く術を知る。だが、時には歴戦の放浪家を迷わせる街も存在する。世界の広さを思い知らせるかのように...。

■どうしてスケートも陸上も左周りなのか

 北京で開催されていた冬季オリンピックも間もなく閉会式を迎えることになります。

 先日行われたスピードスケートの女子パシュートでは、ゴール目前で高木菜那選手が転倒するというアクシデントで日本チームはオリンピックでの連覇を逃してしまいました。それにしても、あの高速の中でのエッジワークなどは本当に素晴らしい技術だと思います。

 そのスピードスケートも、陸上競技もすべて左回り(反時計回り)で行われますよね。おそらく、「右が利き脚」という人が多いからなのでしょう。

 しかし、サッカー選手のことを考えれば、「左が利き脚」という人もたくさんいるはずですよね。そういう人にとっては、右回りで走った方が速く走れるのかもしれません。だとしたら、すべての競技が左回りと言うのは不公平のような気もします。

 走る方向を選択できるとか、左回りと右回りの合計タイムで争うとかした方が公平なのではないでしょうか?

 ちなみに、競馬では左回りも右回りもあります。

 日本中央競馬会の競馬場では右回りの競馬場が7か所。左回りが3か所なんだそうです。つまり、人間のスケートや陸上とは逆に右回り(時計回り)の競馬場の方が多わけです(ただし、ダービーなど重賞レースが最も多く開催される東京競馬場は左回りです)。そして、左回りが得意な馬、右回りが得意な馬がいるんだそうです。

PHOTO GALLERY ■【画像】太陽が「右から左に」移動して沈んだリバープレート・スタジアムの夕焼け
  1. 1
  2. 2
  3. 3