■予期せぬアクシデント
すると後半、試合は意外な決着を見せる。
60分、マジョルカが低い位置からのフリーキックを一気にゴール前に放り込むと、カディスのゴールキーパー、ヘレミアス・レデスマが飛び出してパンチング。その際に、飛び上がったレデスマの膝がアンヘル・ロドリゲスの顔を直撃してしまい、主審はプレーを止めて医療スタッフを呼び込んだ。
PKをアピールしてみたマジョルカの選手たちだが、主審が軽く追い返すとあっさりと引き、再開後に向けた相談を開始。あくまでも形式的な一応のPKアピールのようだった。
膝蹴りを食らってしまったロドリゲス自身は、しばらくして立ち上がると、謝るレデスマに対して、仕方ないさ、というリアクションをとった。スタジアムが暖かい拍手に包まれ、主審が試合を再開させようとしたが、ここでVARが介入するというまさかの展開となった。
パンチングをするレデスマの姿勢そのものは不自然なものではなかったが、カディスのバラズダト・ハロヤンがロドリゲスを押したせいで膝蹴りを受ける形になってしまっていたことが明らかとなり、映像を見た主審はPKの判定を下した。ただし、イエローカードはハロヤンではなくレデスマに提示されている。
フィールドの全員+観客が試合再開だと思っていた状態からのPKという展開になったが、ムリキが落ち着いてこれを沈めてマジョルカが逆転。そこからの30分、さらに10分という長いアディショナルタイムも凌ぎ切り、貴重な勝利を手にした。