■チェルシーの「いつもと違う部分」

 ルカクが最終ラインの間を飛び出す状況になったものの、ツィエクからのパスが強すぎて直接キーパーのエデルソンへ渡ってしまう。あまりにも酷いパスミスに、トゥヘル監督はベンチを飛び出して怒りのリアクションを見せた。

 前線のチョイスは不発に終わったが、チェルシーは他にもいつもと違うことがあった。

 アントニオ・リュディガーを左ではなく右のセンターバックとして配したのだ。

 センターバックながら高い位置を取ることが定番となっているリュディガーをそこに置くということは、インサイドを使ってくる厄介なジョアン・カンセロの上がりを抑える狙いがあるのかと思われたが、実際はジャック・グリーリッシュに仕事をさせないことがドイツ代表ディフェンダーの任務だった。

 グリーリッシュ封じは上手くいったものの、いつも左にいる彼が右にいるということは、左がイレギュラーになるということを意味していた。

 いつものリュディガーのポジションにはマラング・サールが起用されており、リュディガーがグリーリッシュを相手に良いパフォーマンスを見せていたことでシティは当然サールの側を攻めどころにすることになった。

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