■「前任者」三笘薫との違い、そして川崎での起用法は?

 そんなチャナティップは、札幌では3-4-2-1を得意とするミハイロ・ペトロヴッチ監督の下2シャドーの一角として活躍。圧倒的なテクニックを備えている一方で、中盤の選手としては守備強度がやや低いため、4-3-3が基本システムの川崎では左WGが主戦場となるだろう。

 しかし、昨夏ベルギーへ渡った「前任者」三笘薫はタッチライン際に張って受けてからの仕掛を得意とするのに対し、チャナティップは内側のハーフスペースや中央レーンでのドリブル突破やラストパスによるチャンス創出を得意とするタイプ。よってこのタイ代表を後方から支える左SBは、プレーエリアが被らないように、大外に張っておくことが求められるはずだ。

 したがって、左SBには内側での組み立てを得意とする登里ではなく、大外から運べる車屋が起用されると予想した。

 来シーズン、鹿島アントラーズ以来の3連覇を狙う川崎。現在発表されている他クラブからの完全移籍加入は先日の瀬古樹、そして今回のチャナティップの2人と少なく感じられるものの、的確に即戦力レベルの選手を獲得できている。他の新加入選手も含めて、新戦力がどのように融合するのか。2022シーズンの川崎から目が離せない。

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