川崎フロンターレは、リーグ戦では他を寄せ付けない強さを誇っていた。だが、参加した3つのカップ戦(天皇杯、YBCルヴァンカップ、そしてACL)ではいずれも、試合自体には敗れなかったものの、PK戦やアウェーゴール・ルールによって決勝進出を阻まれてしまった。
2022年シーズンでも川崎はJ1リーグ優勝候補の最右翼にいる。彼らが目指すべきは、カップ戦でも勝てるようになることではないか。守りを固める相手から、確実にゴールを奪い取る方法の確立だ。
たとえば、青森山田がやったようにセットプレーを改善することなども、考えるべきポイントの一つだろう。
そして、そうした戦術的な戦い方が広まっていけば、それは日本のサッカー文化をさらに豊かにすることにつながる。
■ワールドカップでの日本代表の勝利に必要なもの
日本代表チームは、アジアでの戦いでは守りを固めてくる相手をどう崩すかが課題となる。アジアのチームで日本と互角の戦いを挑んでくるのは、韓国、オーストラリア、サウジアラビア、そしてイランの4つだけだ。他のチームは、日本(韓国などの4か国)相手の試合では守りを固めてカウンターを狙ってくる。
そんな相手に確実に勝たなければいけないのだ。
日本代表については、かねてからセットプレーのバリエーションの貧弱さが指摘されている。かつてのように直接FKを決める選手もいないし、CKのパターンもそれほど多くはない。
青森山田の優勝を見ても、セットプレーの整備が重要なのは間違いない。
また、日本代表はワールドカップ本大会に参加すれば、逆にアップセットを狙う側の立場で戦わなければならないのだ。そうした意味でも、国内のトーナメントで「ジャイアントキリング」が多発するようになれば、それが日本の選手の血肉となり、ワールドカップで巨人を倒す結果につながるかもしれない。
青森山田の圧勝という大会からも、読み解くべきことはたくさんあった。