■次々と消えていった対抗馬たち

 さて、準決勝と決勝が青森山田の一方的な勝利に終わってしまったのはちょっと残念なことだった。やはり、準決勝や決勝戦というのは、タイトルを巡ってもっとヒリヒリするような戦いを期待したいものだ。

 今年の大会が青森山田の圧勝に終わってしまったのは、青森山田に対抗するはずの強豪校が準々決勝までに揃って姿を消してしまったことが原因だった。

 1回戦で2018年度のファイナリストだった流通経済大学柏(千葉)が近大和歌山(和歌山)と1対1の引き分けに終わり、PK戦で姿を消してしまったのを皮切りに、昨年度の決勝で青森山田をPK戦の末に破った山梨学院(山梨)も初戦(2回戦)で佐賀東に0対2で敗れ去った。1月4日に行われた準々決勝では2017年度の優勝校、前橋育英(群馬)が大津(熊本)に敗れ、そして一昨年の優勝校、静岡学園(静岡)もPK戦で姿を消した。

 準々決勝では、前橋育英も、静岡学園も完全に試合を支配していた。だが、前橋育英は前半の11分にカウンターから大津の一村聖蓮に決められた1点を返すことができず、0対1で敗退(大津にとっては、この得点場面が前半で唯一のシュートだった)。関東第一(東京)と対戦した静岡学園も、相手を90分間でシュート2本に抑え、自分たちは合計で18本ものシュートを放ちながら、得点は60分に決めた1点だけにとどまり、終了直前の80分にカウンターから神山寛尚に決められてPK戦に持ち込まれてしまった。

 こうして、青森山田に対抗できそうなチームが次々と姿を消していったのだ。

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