■ビエラのような守備力とポグバのような推進力を兼備

 ドイツで成長し続けるザカリアの特長は、高いボール奪取能力と運ぶドリブルだろう。

 守備の局面では191cmの恵まれた体躯を活かしてボールを刈り取り、ピッチ中央を支配。相手選手の懐まで潜り込み、いとも簡単にボールを自分のものにしてしまう。「スイスのパトリック・ビエラ」と呼ばれるのも納得の守備技術だ。

 さらにこの25歳はMFだけでなく、CBとしてもプレーできる。実際、これまでボルシアMGではフィールドプレーヤーの最後尾で10試合プレーしており、そのユーティリティぶりも他クラブへの売りになるはずだ。
 
 また、攻撃時にはポール・ポグバのようなしなやかなタッチと大きなストライドを活かした推進力で相手のプレッシングをかわしてビルドアップにも貢献。特にカウンター時に開いた位置で持った際の攻撃力は相手にとって脅威となる。
 
 加えて、タイミングを見計らって前線に登場することもある。今季のブンデスリーガ第6節のドルトムント戦では、ペナルティアーク付近まで上がってパスをもらい、そのままエリア内に侵入。相手DFにボールを触られつつも強引にネットを揺らし、1-0での勝利の立役者となった。

 ときには潰し屋として、ときにはカウンターの起点として攻守に渡ってチームに貢献できるザカリア。今季終了後の退団が確定したが、果たして新天地への移籍は今冬となるか。目が離せない。

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