後藤健生の「蹴球放浪記」第87回「タクシー運転手の憂鬱」の巻(1) スペインW杯、バレンシアでの悲哀の画像
バレンシアでのスペイン対ユーゴスラビア戦。主審の協力で、スペインはなんとかグループリーグ突破 提供/後藤健生
スペイン語で「ハリケーン」を意味する名を関するアルゼンチンの名門クラブの取材許可証

 サッカーは庶民のスポーツとして発展してきた。だから、サッカージャーナリスト・後藤健生も、移動には公共交通機関を使う。ただし、時と場合によっては、タクシーに乗ることもある。車内という小さな空間も、世界を知る窓となるのだ。

■基本的にはタクシーに乗らないが…

 僕は、基本的にはどこに行くにもバス、電車、地下鉄といった公共交通機関を利用します。タクシーのような贅沢なものには乗らないようにしています。

 最大の理由はおカネがないからですが、19世紀に誕生したサッカーというスポーツはもともとは労働者や民衆のスポーツとして発展したものです。そんなスポーツの取材に行くのにタクシーで乗りつけるなどというのは笑止千万というのが僕のポリシーだからです。まあ、現代風に言えば、地球温暖化防止の観点からも公共交通機関がお勧めです。

 よくタクシーを使ったのは、スカパー!で海外サッカーの解説の仕事をしていた頃です。深夜や早朝に仕事が終わるので、もう公共交通機関は動いていませんから選択の余地はありませんでした。また、テレビ局というのはどこも気前よくタクシー代を出してくれます。電車を使ってスタジオまで行っても電車賃は出してくれないのに、タクシーに乗って行くとタクシー代を払ってくれたりするのです。

 同じルートで毎回帰宅していると、親切な運転手さんは何度目かには道をすっかり覚えていてくれていて、「ご自宅ですよね?」と確認すると、僕が眠っている間にしっかりと家の前まで送り届けてくれたりします。

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