なでしこジャパンにとって東京オリンピックは、悔しい結果に終わった。だが、時間は進んでいる。チームもまた、前進しなければならない。
新生女子日本代表は、新監督とともに歩み始めた。その第一歩をサッカージャーナリスト、大住良之が読み解く。
■当初は新鮮味のなかったメンバーだが…
来年1月に2023年のFIFA女子ワールドカップ予選を兼ねるAFC女子アジアカップ(インド)に臨むなでしこジャパンが欧州遠征を行い、その第1戦を、11月25日(日本時間26日未明)、オランダのアルメレでアイスランドと対戦した。オリンピック後の10月に就任した池田太監督下での注目の第1戦は0-2で敗れたものの、なでしこジャパンが正しい方向に進み始めていることを示す試合だった。
10月に就任した池田監督は10月下旬に国内のクラブに所属する候補選手23人を集めてトレーニングキャンプを行い、そこにDF熊谷紗希(バイエルン・ミュンヘン)、DF宝田沙織(ワシントン・スピリッツ)、MF長谷川唯(ウェストハム)、MF林穂之香(AIKストックホルム)、FW岩渕真奈(アーセナル)の「海外組」5人を加えて今回の遠征メンバー23人を編成した。
11月19日のメンバー発表時点では、前任の高倉麻子監督時代に選ばれていた選手が多いこともあり、そう新鮮味は感じられなかった。わずかに、2012年のFIFA U-17女子ワールドカップで活躍して以来、「代表」とは縁遠かったMF成宮唯(INAC神戸)が初選出。また、池田監督の下で2018年のFIFA U-20女子ワールドカップ優勝の中心メンバーとなったMF長野風花(マイナビ仙台)が久々に選出されたのも目を引いたが、大きな驚きはなかった。