■若手に経験を積ませる方策を

 そして、若い年代の成長にとって大きな意味のある国際大会も次々と中止になってしまった。2021年に開催予定だったFIFA主催のUー20ワールドカップ、Uー17ワールドカップも中止となり、SBSカップのような国内での招待大会も中止。その結果、パリ・オリンピックを目指す世代の選手たちはUー20代表での公式戦を経験しないまま、Uー22代表としてAFC Uー23選手権を目指すこととなってしまった。

 この年代で、国際試合の経験ができなかったことは、将来のフル代表の強化にも影響してくるはずだ。

 もちろん、新型コロナウイルス感染症という一種の自然災害が原因だったので仕方がないことではあるし、また悩みは世界各国共通なのではあるが、やはり日本代表の将来の強化のためには日本サッカー協会として若い選手たちの経験値を上げるためのあらゆる方策を採る必要があるだろう。

 Jリーグというトップリーグに入った選手には、トップチーム以外の経験を積むための試合(大会)を増やす必要があるだろうし、大学生選手のためには大学選抜による国際大会を行うべきかもしれない。たとえば、全日本大学選抜は毎年、韓国の大学選抜とDENSOカップで1試合ずつ対戦しているが、たとえば来年度はホーム&アウェーで2試合制にして実施することはできないか? 韓国のサッカー界も、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて日本と同様な状況にあるのだから、互いのためになるのではないか。

 年代別代表も、細かな年代分けで編成して、何らかの大会で経験を積ませたい。

 さまざまな問題を抱えるコロナ禍ではあるが、とくに若い世代への影響を排除する多面はあらゆる手を尽くしてほしいものだ。

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