今年、日本で新たなプロ・リーグが開幕した。日本初の女子プロ・サッカー、「WEリーグ」である。
新リーグはすでにシーズン3分の1ほどを終えている。首位のINAC神戸レオネッサと強豪・三菱重工浦和レッズレディースの対戦から、WEリーグの魅力と課題が浮き上がってきた。
■I神戸の難点を超える魅力
実は、INAC神戸レオネッサのユニフォームは背番号がとても見にくかった。
彼女たちのユニフォームは、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏のデザインとして注目されているもので、左右非対称でストライプが入った洒落たデザインだ。ところが、背番号は赤の縁取りが付いたピンクであり、近くで見れば美しいデザインなのかもしれないが、陸上競技のトラックのあるスタジアムではスタンドから背番号がほとんど読み取れない。そもそも、ストライプのユニフォームの背番号は一般的に視認性が悪い上に、色がピンクなのだ。
湘南ベルマーレなど視認性の悪いユニフォームにはJリーグでも慣れているとはいえ、「これは、とても見えない。参ったな」と思っていたのだが、試合が始まってみると、とくに問題は感じなかった。
髪型やシューズの色などを頼りに選手を見分けるというテクニックは当然駆使したが、背番号が見えなくても誰がプレーしたのかがすぐに分かるというのは、それぞれの選手のプレースタイルに特徴があり、ポジション取りも論理的なものだったからこそだ。
チームとしての完成度の高さを、そういう意味でも感じることができた。