■11月07日/J1第35節 鹿島アントラーズ 1-0 浦和レッズ(カシマ)
ACL出場権を巡って3位争いに挑む両チームの対決は、点差以上の内容差となった。
試合開始時点で、勝点59で並ぶ5位・鹿島と6位・浦和がカシマスタジアムで激突した試合は、序盤から鹿島ペースで進んだ。開始を告げるホイッスルからわずか16秒で鹿島FW土居聖真があわやというシュートを放ったシーンが、ワンサイドゲームの始まりだった。これを皮切りに、鹿島が次々とチャンスを作り出したのだ。
同じ勝ち点のチームの戦いとは思えないほど、鹿島がピッチを支配した。前半のシュート数は、浦和はゼロ。対する鹿島は10。アレクサンダー・ショルツが「支配されたという言葉では表現できないくらい、前半は押し込まれた」と話したが、リカルド・レッズも何も手を打たなかったわけではない。
試合開始から浦和は、GK西川周作からビルドアップを試みた。その際、ボランチの平野佑一が最終ラインに組み込まれる形で「3-1」で前進を試みた。しかしこれはうまくいかなかった。鹿島の攻撃陣は、浦和のボール保持時に前進したポジションこそ取るものの、むやみに食いつかず、陣形を崩さなかったのだ。
そこで浦和は、前半途中からビルドアップの形を変える。西川をボール回しに積極的に参加させつつ、センターバックを開いて相手2トップの外でボールを受けさせようとし、その流れでサイドバックも使うなどしたが、それより先でボールを刈り取られ続けてしまうのだ。