■16・17年に起きた転機
ユースからプロへの順調な歩みに思える2016・2017年だが、その途中に大きな転機があった。ユースの中で抜群の存在感を放っていた滝だったが、平岡監督は彼の足りない部分を見つけていた。3年生としてチームを引っ張る立場になる滝は平岡監督に「怖い選手になれ」と言葉をかけられると、上手いだけでなく自分から仕掛けるスタイルでスピードを活かせるようになり、プロへの道が拓けた。
こうして「平岡さんは自分の特徴を全部わかってくれている」(札幌戦前)という強い信頼関係は築かれた。
2020年からトップチームに加わった平岡コーチは、まさかの2年連続でシーズン終盤に監督としてチームを立て直すことになった。
滝は昨年の後半は8月からカターレ富山に期限付き移籍しており不在。この日いよいよプロとして初めて選手と監督の関係で試合に臨むことになった。「昔から一番自分のことを気にかけてくれていて、富山に移籍した時もLINEをしてくれた」という滝が平岡監督のために燃えないわけがなかった。