■U-20W杯中止の影響
2018年のUー23選手権に出場した日本チームは、前年の5月から6月にかけて韓国で開催されたUー20ワールドカップを戦ったチームがベースになっている。内山篤監督から森保一監督に指導者が交代したこともあって、両大会に共通して出場したのは10人だけだったが、森保監督はそれなりに完成されたチームを引き継いだわけだ。
つまり、従来の日本代表の強化の流れは、Uー20ワールドカップを戦った選手を中心に、その年末までに次のオリンピックを目指す新しいUー20代表を編成。そのチームが翌年のUー23選手権に臨むという流れになっていた。
そのチームに、さらに翌年のUー20ワールドカップに出場した選手を加えたUー23代表が(オーバーエイジを加えて)オリンピックに出場するわけである。
ところが、今回は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2021年に予定されていたUー20ワールドカップが中止となってしまったのだ。
もちろん、それでもUー20代表は何度かの合宿を行い、また練習試合も行ってきた。しかし、Uー20ワールドカップに出場できれば、事前合宿を含めれば1か月ほどの長期にわたってともに行動し、また同格または格上の相手との真剣勝負を経験することができ、チームとしての一体感も生まれているはずなのだ。公式戦なしの合宿だけでは、強化には限界がある。
つまり、これまでに比べて、今年のUー20世代は準備不足のままオリンピックを目指す長い旅に出発したということになる。