■ハットトリックに負けない輝き
ハットトリックの輝きはまばゆい。だが、その影に隠れてしまいがちなアンサング・ヒーローも雄弁だった。ロベルト・フィルミーノである。
サラーがアシストした先制点の場面、パスを出したのがフィルミーノだった。
ポジションはCFではあるが、あらゆる場所へと顔を出す。さらには、中盤へ引いての守備も怠らない。
見事だったのはサラーの1点目となる、38分のゴールへの関与だ。右タッチライン際に開いていたフィルミーノは、パスを出すと足を止めることなく動き続けた。ヘンダーソンからケイタを経て戻ってきたボールをはたいてそのまま走り、リターンパスをボックス内のディオゴ・ジョタに1タッチで送った。この一連のプレーがマンチェスター・ユナイテッドの守備陣に歪みを、さらにはゴールを生んだのだ。