■日本サッカーは垣根を越えて協力すべき
今後、ワールドカップで上位進出を果たそうと思うなら、やはり「個の力」を上げていくしかないだろう。
たとえば、ブラジルに奪われた2失点目。ブラジルのレオナルドはダブルタッチによって右に抜け出して、早いタイミングで正確なシュートを放ってきた。3失点目の場面ではブラジルのピタは空中にあるボールを胸でコントロールし、その落ち際を左足でコントロールするというテクニックを見せた。
そうしたテクニックを持つ選手は日本にもいるかもしれない。しかし、その一つひとつのプレーのスピードとそのスケール感の大きさは、やはり日本の選手には真似のできないものだった。
だから、2対4という競り合った試合ではあったが、あくまでも日本の“善戦”であって、“惜敗”とは言えないのである。
ワールドカップを見ていて、そんな印象を受けた記憶があったので、松井のスケールの大きなプレーを見て、何かそこに可能性を感じたのである。
サッカーとフットサルの協力は、何もFリーグの観客動員拡大のためだけではない。フットサルは、サッカー・プレーヤーの持つスケール感の大きなプレーをもっと取り入れるべきだろうし、逆にフットサルの選手たちが見せるスペースのない中での繊細でスピード感あふれるプレーはサッカーの試合でも必ず役に立つはずだ。
男子も、女子もすべての年代別のワールドカップで決勝トーナメント進出を果たしている日本は、フットサルでもビーチサッカーでもワールドカップで活躍しているのだ(ビーチは決勝進出!)。そうした日本のフットボールの総合力を生かすためにも、各カテゴリーが垣根を超えて協力し合っていくべきなのであろう。