■素晴らしいパフォーマンスだった日本代表

 そのブラジル戦もけっして日本の完敗ではなかった。

 日本は開始4分に星翔太が遠目からシュートを放ち、これが相手のゴレイロ(GK)グイッタの手を弾いて、なんとブラジル相手に先制したのだ。すぐに同点とされたものの、その後もブラジルに追加点を許さず、日本代表は後半半ば過ぎまで1対1のスコアのままで凌いで粘ったのである。そして、31分にレオナルドに勝ち越しのゴールを奪われ、さらに38分にもピトにゴールを許して万事休したかと思われたが、その後、西谷良介がミドルシュートを決めて再び1点差として追いすがった。

 その後、最後はGKを引き揚げて5人で攻撃を仕掛けるパワープレーの中でボールを奪われて1点を追加されてスコアは2対4となったが、最後まで「もしかしたら」と期待感を持ち続けることができた。“善戦”と言っていいだろう。

 これだけ粘ることができたのは、前線からの激しいプレスと豊富な運動量に裏打ちされた規律の高い分厚い守備によるものだった。日本らしい戦い方だ。

 しかも、日本はグループリーグ第2戦のスペイン戦でもハイプレスによってスペインのパスを分断することに成功していた。ブルーノ・ガルシア監督率いる日本代表が素晴らしいパフォーマンスを発揮したことは確かだった。

 しかし、日本は大会を通じて大きな課題を突き付けられた。リトアニアでの大会で日本は4試合を戦って1勝3敗に終わったのは事実なのだ。

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