■ワールドカップ出場の歴史は先代が築き上げてきたもの

 たとえばロシアワールドカップで指揮を執った西野朗氏に代表されるように、かつてアジアの戦いで苦汁をなめた選手たちが、今度は指導者となって日本代表を牽引し、必死の思いで世界の舞台での高みを目指してきた。

 そんな思いが次世代の選手へと受け継がれ、日本代表は長年のあいだ、ワールドカップ予選では「絶対に勝ちたい」という闘志を見せていた。そういった姿勢こそが、日本のサッカーの歴史を築き上げたものであり、サッカーファンやサポーターのみならず、多くの国民の心に響くものだったのではないだろうか。

 最後まで希望を失わずに戦うことは、プロや代表選手である以上は当然である。しかし、すでに黄色信号が灯っている以上、突破の可能性が閉ざされてからでは責任の追及をしても遅い。それはすなわち、ワールドカップ6大会連続出場という、先達たちが決死の思いで築き上げてきたものを途切れさせてしまうのだから。

 ワールドカップ予選は、熱意や闘志は言葉ではなく、結果で見せなくてはならない。そして、その結果が出ていない現状があれば、何かを変えていく必要があるだろう。

 監督人事でも、選手の起用法でも、戦術でも、どのような要素でも構わない。最終予選の突破に向けて、まずは何かしらの”具体策”を示してほしい。

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