■予想を超える中国の街並み

 2017年秋にAFCから大会のスケジュールが発表されました。会場は常州、崑山など4都市となっていました。「常州」というのはなんとなく聞いたことがあったんですが、どの辺にある都市かすぐには思い出すことができませんでした。日本がグループリーグを戦うのは江陰というところらしいのですが、まったく聞いたこともありません。

 早速地図アプリで調べてみたら、どれも上海の近郊、江蘇省にある小さな街のようでした。

「小さな」と書きましたが、そこが中国という国の恐ろしいところです。ほとんど無名の都市なのに、どこも100万人以上の人口を有しているんです。常州市などは、なんと人口400万人以上です。日本で東京に次ぐ第2の都市、横浜でも人口は380万人ほどですから比べ物になりません。ちなみに、上海市の人口は2400万人を超えています。

 日本が試合をする江陰市というのは無錫市という大きな市の中に存在する「県級市」だそうです。

 中国では「県」というのは「市」より下のカテゴリーに当たります。つまり、中華人民共和国の江蘇省という省の中に無錫市があり、その無錫市の中に江陰という市が存在するというわけです(日本では県の下に市がありますが、これは明治時代初期の混乱の中で起こった文字の誤用です)。長江に面した街で、市内バスがすべて電動だったり、モダンな公衆トイレがあったり、さすがに中国きっての近代都市上海の近郊でした。

(2)へ続く
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