ロナルド・クーマン監督のバルセロナでのセカンドシーズンは続くのか。
クーマン監督に「2年目」があるのか、すぐには明言されなかった。この夏にリオネル・メッシの退団という衝撃に見舞われたクラブは、それ以上の揺れを嫌ってか、オランダ人監督の続投を決めたが、にわかにその身辺は慌ただしくなっている。
チームにはオランダ人選手が増え、新たなチームづくりが進んでいる。過去にも、オランダから来た多くの選手と監督が、栄光をもたらした。
だが、チームの「オランダ化」は、成功に直結するとは限らない。歴史をひも解きながら、バルセロナの未来を占ってみる。
■オランダ人2トップも空回りする現在のバルサ
0-3と完敗したチャンピオンズリーグでのバイエルン・ミュンヘン戦で、クーマン監督はシステムをファンのお気に入りである【4-3-3】から【3-1-4-2】に戻していた。その最前線の2トップにも、思い切り自分の色を打ち出していた。今夏の移籍市場が閉まる直前にセビージャからレンタルで獲得したルーク・デ・ヨング、同様に新加入であるメンフィス・デパイを2トップに組み込んだ。オランダ代表で指導していた2選手を、満を辞して起用したのだ。
しかし結果が物語るように、バルセロナの攻撃は機能していなかった。ビルドアップでボールを前進させる際には、デパイとL・デ・ヨングがポストプレーをするため中盤に引いてくる。その際、代わりに前線に飛び出していくような選手がいない。「L・デ・ヨングはクロスに合わせるという意味ではネイマールより優れている」と獲得時に語っていたクーマン監督だが、クロスを入れてもL・デ・ヨングやデパイがゴール前にいなければ本末転倒だ。