■本田圭佑の「4」は個性の表現

 さて、21世紀を迎えるころには、世界中で「背番号固定制」が常識になっていた。ポジションに関係なく、好きな番号をつけてプレーできるようになったのだ。そしてさまざまな……、ときに何だこれはという番号が生まれる。

 イタリアのインテル・ミラノが1997年にブラジルの「怪物」ロナウドと契約、彼に背番号9を与えた。それに怒ったのがチリ代表のエースで、前年から背番号9をつけてインテルでプレーしていたイバン・サモラーノである。サモラーノが選んだのは「18番」だった。そして自分のユニホームの背中、「1」と「8」の間に、小さく「+」と入れさせた。

 日本代表では、本田圭佑が2012年から背番号4でプレーした。既成概念を廃し、自分自身で限界をつくらずに到達できる最高のところを目指そうとした本田。背番号も、これまでのサッカーのイメージを覆すことを意識した結果だった。

 18番をつけて彼自身の最初のワールドカップである2010年南アフリカ大会に出場、「全敗でも不思議はない」と言われた世論を覆して海外での大会での初のベスト16入りの原動力となったのは、カメルーンとの初戦でセンターFWとしてプレーした本田のゴールだった。そして4番に代えた2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会でも、彼はゴールを記録し、「ワールドカップ3大会で得点」という記録をつくるのである。

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