■聞こえてきた放送NGワード

 NHKのLIVE配信は実況、解説のない会場音声のみだったため、久保を撮りつづけるカメラに向かって何を言っているのかは、はっきりと聞き取れた。そのスタッフが発したのは、いわゆる英語の「Fワード」で、通常であれば放送に載せるのはNG。号泣する久保を守ろうという意図なのか、カメラに向かってその放送禁止用語を言い放ったスタッフは、そのまま久保に近寄っていった。

 英語圏のみならず、ほぼ全世界共通で使われる罵倒語であり、人に言ってはいけないワードだが、久保を配慮しての行動であることは間違いない。たとえ汚い言葉であったとしても、「映すな。気持ちを考えろ」という、彼なりの想いが込められていたのではないだろうか。

 日本の至宝は、この悔しさをバネに次のパリ五輪、そしてワールドカップに繋げて欲しい。久保はまだまだ成長し、再び日本に興奮と希望を与えてくれることだろう。今後に期待したい。

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