■帰化選手を加えた中国が不気味な存在に
〇か×かを問えば、「〇」になる。
カタールW杯アジア最終予選の組合せが決まった。日本代表はイランとともに第1シードで抽選され、オーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムを従えてグループBを形成することになった。2次予選よりも難しい相手との対戦が続くが、西アジア勢が揃ったグループAに比べると移動距離が短い。その意味で「〇」と言える。
最終予選は9月にスタートする。2試合連戦の5つのセットを、来年3月まで消化していく。W杯にストレートインできるのはグループの上位2か国で、3位チームはプレーオフにまわる。
9月2日と7日のセットは、オマーンとのホームゲームと中国とのアウェイゲームだ。前回の最終予選はアラブ首長国連邦(UAE)に1対2で敗れて黒星スタートとなり、オーストラリア、サウジアラビア、UAEを追走する立場となった。9月の2戦はキッチリ勝利したいが、最終予選で初対戦となる中国が気になる。
2次予選ではシリアの後塵を拝して成績上位の2位で通過した中国だが、ブラジルから帰化したエウケソン、アラン、フェルナンジーニョと3人のアタッカーを加えている。さらにイングランド出身のCBティアス・ブラウニングとセントラルMFのニコ・イェナリスも、李鉄監督のもとでプレーしているのだ。今後さらに帰化選手が増える可能性もある。
5人の帰化選手を交えた組織力には、率直に言って疑問符が付く。それでも、ピッチ上で起こる問題を「個」で解決できるタレントを備えたと考えるべきだ。中国を侮ることはできない。