■まだ万全のプレーはできていない
ボールを下げたアザールはそのままゆっくりと中央にポジションをとる。すると、ベルギーは組み立て直しからエリア内のアクセル・ヴィツェルがパスを受けてアザールにラストパス。ワントラップからシュートが放たれたが、この決定機はGKが好セーブを見せた。
デンマーク戦のアシストと同じく、アザールではなく周りが加速して動くこの場面が象徴するように、自身も周囲も以前と全く同じ姿を目指してはしていない。
しかし、新しいスタイルであろうとも、2020-21シーズンのリーガで533分の出場にとどまったアザールのパフォーマンスがいまだに上がりきっていないのも事実だ。
85分、エリア内の中央やや左、細かいタッチでDFをよけてゴールの逆サイドへ放った得意の形での絶好のシュートは、枠を大きく外れてしまった。足首だけでなく筋肉系の怪我が慢性化してしまっているアザールは、スタイルを変えても、チームの中でそのやり方がフィットしても、まだ1つ1つのプレーが万全には程遠い状態だ。
3連勝をして挑む決勝トーナメントでアザールの出番は訪れるだろうか。調整に使える最後の試合は90分フル出場で終わりを告げた。
■試合結果
フィンランド 0―2 ベルギー
■得点
74分 オウンゴール
81分 ロメル・ルカク(ベルギー)