【EURO2020】「死の組」のポルトガル対ドイツ(2)ドイツを救ったキミッヒ、ゴセンスと「最後の1人」の画像
画像/サッカー批評編集部

 

※その1はこちら

UEFA EURO2020 グループF第2節 ポルトガルvsドイツ 2021年6月19日(日本時間25:00キックオフ)】

 その後も、51分にはミュラーとキミッヒのワンツーからゴセンスへパスが渡り、ダイレクトで折り返すとハヴァーツがゴール。60分にはキミッヒのクロスをゴセンスがヘディングで決めてダメ押し。と両サイドが試合を動かし、敗退の危機まで追い込まれたドイツが強さを見せて生き残った。

 3バックで戦うドイツは、いかに幅を広く使うことができるかがカギだが、この試合は右、左、と大きく相手を揺さぶって素早く中央で仕留める、という形を見せて逆転勝利を手にした。ボールを回すだけで決定的な場面をなかなか作れなかった初戦から大きく改善し、キミッヒとゴセンスは決定機にことごとく絡んだ。

 キミッヒとゴセンスが試合の主役になったが、改善が一気に進んだことにはもう1人、ミュラーの存在が欠かせない。

 ライン間でボールを受け、豊富な運動量で左右どちらの選手とも近くで絡む彼がいなければ、接近、展開、という揺さぶりは実現しなかった。チームのやりたいことのために適切に動き続け、気の利くプレーを繰り返す彼なくして、一気の好転はあり得なかった。

 自分たちの戦い方がひとたび上手くいけば、手を抜かずにそれをし続けて相手を圧倒するのがドイツの伝統的な強さだ。バイエルン・ミュンヘンでもドイツ代表でも、それが時に大差の試合を生み、ドイツの強さを際立たせる。この試合ではその片鱗を見せた。

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