■必要最低限の範囲で本来の持ち味を見せたモドリッチ

 らしいプレーを全く見せなかったわけではない。

 たとえば守備では19分、最終ラインに落ちてパスで組み立てようとしたマルセロ・ブロゾヴィッチからヴルサリコに出たボールがメイソン・マウントに奪われてしまう。

 そのまま左サイドを攻め込まれ、ボールは一気に上がってきたトリッピアーへ。そこからペナルティエリア手前中央で待ち構えていたハリー・ケインにマイナスのボールが出されると、届く寸前のところでなんとかカットしたのがモドリッチだった。

 攻撃では23分、右サイドのセンターライン付近でゆっくりとしたボール交換をすると、モドリッチがマウントの背後から飛び出していってボールを引き出した。ここはトリッピアーに防がれてしまったが、ライン間でボールを受けて前進しようというモドリッチらしいプレーだった。

 守備でも攻撃でも、それが上手くいけば1点もの、というタイミングでのみ、必要最低限の範囲で本来の良さを出していた。

 その時のプレーぶりやフル出場を果たしたことからもコンディション不良というわけではなさそうだが、ではなぜそうしているのか。

 それは、クロアチア代表が問題を抱えているからだ。

 

■試合結果

イングランド 1―0 クロアチア

■得点

57分 ラヒーム・スターリング(イングランド)
 

※その2に続く

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