■「世界の中心」を訪れた

 そのエクアドルの首都キトから北に20キロくらい行ったところに「MITAD DEL MUNDO(世界の中心)記念碑」が立っています。

 経度0度の子午線というのは、たまたま当時の世界の大国だった英国に決まっただけのものですが、赤道(つまり緯度0のライン)というのは世界にたった1本だけしかありません。ただし、赤道は地球を取り巻いていて約4万キロもあるのですから、別にエクアドルで見学しなくてもいいはずです。

 ただ、4万キロの赤道の半分以上は海上を通っていますし、アフリカ大陸では熱帯雨林の中を通っていたりして、なかなか訪問するのが難しいところが多いのです。ところが、このエクアドルの「世界の中心」は、一国の首都からわずか20キロ余り。バスに乗れば簡単に訪れることができるというわけです。そして、18世紀の前半にフランスの調査隊が赤道の位置や長さを確定させるための観測を行ったのが、この場所だったのです。

「世界の中心」には大きなモニュメントが建てられ、地面には赤道を示す赤い線が引かれており、観光客はその赤い線を跨いで記念写真を撮るというわけです。

 ちなみに、エクアドル共和国にとって赤道はガラパゴス諸島と並ぶ国の象徴です。なにしろ、エクアドル(ECUADOR)というのはスペイン語で「赤道」という意味なのですから……。

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