■痛恨だったデ・ブライネの退場
後半、シティにもアクシデントが発生する。60分にケビン・デ・ブライネがアントニオ・リュディガーと激突。激しく顔面を強打したことで、負傷交代となった。大黒柱が不在となったマンチェスター・シティだったが、ここでガブリエウ・ジェズスが入り、さらに64分にフェルナンジーニョが投入されてギュンドアンが1つ前にポジションを取るようになるとようやく事態は好転し始めた。
しかし、最終的にはチェルシーが7分のアディショナルタイムを含めて、逃げ切ることに成功。結果的に、シーズンの集大成として継続性を見せたチームが栄冠を手にした。
カンセロ・ロールやギュンドアンの得点量産、デ・ブライネの偽9番など、様々な方法で勝利を手にしてきたシティだったが、大一番でそれらの良いところを抽出するのではなく新たな奇策に出たことが、結果的に裏目に出てしまった。
パリ・サンジェルマンを出て半年で頂点に立ったトーマス・トゥヘル監督とチアゴ・シウバは、チームとしての明確な姿勢があれば奇策は不要だ、ということを示して、ビッグイヤーを掲げることができた。
いわばイデオロギーのぶつかり合いとなった、今回のチャンピオンズリーグ決勝。
チェルシーがさらに盤石なチームになっていくのか、そしてシティがさらに特殊性を増していくことになるのか。来シーズン、また繰り広げられるその戦いに思いを馳せ、このシーズンを締めくくることにしよう。
■試合結果
マンチェスター・シティ 0―1 チェルシー
■得点
42分 カイ・ハベルツ(チェルシー)