■「回収」は可能か?
チェルシーも2017-18シーズンに2億ポンド以上を補強に費やしたが、CLに出場できないシーズンもあるなど、投資に見合った結果を得られない時期が続いた。2017年に獲得したアルバロ・モラタは、不完全燃焼のままクラブを去った。昨夏にクラブ記録更新となる7200万ポンド(約110億円)でやって来たカイ・ハバーツも、まだその値札が重荷となっている状態だ。
だが、CLを制した2011-12シーズンを思い出してほしい。チェルシーは国内でも調子が上がらず、シーズン終盤の3月にアンドレ・ビラス=ボアスを解任した。CL優勝へ導いたのは、暫定監督(当時)だったロベルト・ディ・マッテオだったのだ。
欧州の頂点を狙うクラブは、ただ大金を費やすだけではない。CLでは賞金も破格で、回収できる額は大きい。
大会に出場するだけで得られる金額や試合ごとにの賞金を合わせると、チェルシーはここまで6165万ユーロ(最近のレートで約82億円。以下、同)、マンチェスター・シティは5985億円(約79億円)を得ている。さらに決勝の舞台では、勝者に1900万ユーロ(約25億円)、敗者にも準優勝チームとして1500万ユーロ(約20億円)が与えられる。
もちろん、カネだけが目的ではないが、この10年で1シーズン平均200億円前後を投じてきた両クラブにとって、欧州最強の称号が懸かる一戦は、まさに目の色が変わるバトルとなる。