サッカー五輪代表「東京で金メダル」への道 (2)ロシアW杯でベルギーに善戦できた理由の画像
三笘薫 撮影/渡辺航滋

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森保一監督は、東京オリンピックの組み合わせ抽選会のあと、「目標は1次リーグ突破ではなく金メダル」と語った。A組の日本は、7月22日に南アフリカ、25日にメキシコ、28日にフランスと、いずれも強豪国とグループステージを争う。各組上位2チームが戦う準々決勝に勝てばベスト4で、決勝戦か3位決定戦に進むことができる。各国の準備状況はまだ聞こえてこないが、大会は刻々と近づいている。本稿では、日本代表はどのように戦えば金メダルを獲得することができるのかを考えた。

■準々決勝に勝利するための条件

 準々決勝で勝つために必要なこととは何か? それは、「いかに良好なコンディションで準々決勝に臨めるか」にかかっている。

 従来、日本代表は「決勝トーナメント進出」が最大の目標であり、グループリーグの3戦で全力を尽くして戦わざるを得なかった。そのため、目標を達成した時点ですでに消耗が進んでおり、決勝トーナメントを戦うだけの余力がなかったのだ。

 ロシア・ワールドカップのグループリーグ最後のポーランド戦では、西野朗監督はまだグループリーグ突破が決まっていたわけではないのに、最初の2試合(コロンビア戦、セネガル戦)を戦ってきた主力選手に休養を与えてメンバーを変えた(さらに、ポーランドに先制された後、0対1のままで終わらせてフェアプレーポイントでグループリーグ突破を目指すというギャンブルに出た)。ベルギーを相手にあそこまで戦えたのは、西野監督の決断があったからこそだった。

 今回のオリンピックでも、準々決勝ではなるべく良好なコンディションで戦いたいものだ。とくに、オリンピックの場合はグループリーグ最終戦から準々決勝まで中2日しかないのだ。そのため、できればグループリーグ最終戦ではメンバーを変えて戦いたい。つまり、2戦を終えた時点でグループリーグ突破が決まっていれば、それがベストのシナリオということになる。

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