■フットサルの競技としての高いポテンシャル
幸い、フットサルは間違いなくサッカーの一種であり、たとえば足でボールを扱うために中盤でのボールロストが起こりやすく、ターンオーバーが頻発するあたりは、他の室内競技とは違って明らかにサッカーに近いし、GKが立ちはだかるゴールにシュートを入れる難しさもサッカーと変わらない。
中盤での組み立てからゴール前でのフィニッシュに至る試合展開もサッカーに近い。
つまり、サッカーを知っている人なら、最低限の知識さえあれば、すぐに楽しむことができるのだ。さらに、人数が少ないせいか、試合のリズムの変化も激しいし(1人がサボったりすれば、ごまかしがきかなくなる)、チーム毎の特徴もはっきりしている。
Jリーグクラブを参入させて、真冬や真夏のサッカーのシーズンオフに、Jリーグの選手も出場する大会を開いてもいいだろう(かつて、三浦知良が出場して話題になったことがある)。
さて、実際にどのようなプロモーションを行うにしても、「リーグ戦の優勝争い」という話題は不可欠なものだろう。今のように、毎年、名古屋オーシャンズが圧倒的な成績で優勝してしまうのでは、優勝争いの興味はなくなってしまう。
だからこそ、名古屋オーシャンズを倒すだけの競技力を持ち、また名古屋に匹敵するという財政力を持つトルエーラ柏の参入には期待したのだ。ライセンス不交付の理由がどうであるにしても、せっかくこういうチームが現われたのだから、ライセンスの基準は柔軟に解釈してF1参入を認めるべきだったのではないだろうか。
クラブの経営なども含めて審査を行うライセンス制度は、たしかにリーグ全体の健全な発展のために必要なものなのだろうが、しかし、理念を追い求めることによってリーグ自体の存続が危うくなってしまっては元も子もないではないか。