■J2にもVARがあれば…
後半開始とともに東京Ⅴが選手交代を行ない、選手の立ち位置も変えてきた。それによって守備の時間がさらに長くなっていくが、劣勢に立たされたわけではなかった。
悔やまれるのは63分のPKだろう。右サイドバックの三鬼海が相手FWの山下諒也を「倒した」というジャッジを下されたが、明らかに故意ではなかった。三鬼の足に山下の足がかかった、というのが客観的な事実である。J1だけでなくJ2にもVARが導入されていたら、違う見方が採用されていたかもしれない。
71分には同点弾を喫した。こちらはオフサイドかどうかが微妙だったが、シュートを決めた小池純輝はDFラインの一番外側から入り込んでいる。町田側からすれば、小池の得点につながるシュート性のクロスを打たせてしまったこと、小池をフリーにしてしまったことを、今後への課題としなければならないだろう。後半になって右サイドが劣勢に立たされ、結果的にそれがふたつの失点につながったことも反省材料である。ポポヴィッチ監督も選手交代と立ち位置の変更で、右サイドの守備を手当てしたのだが……。
このまま2対2で終了のホイッスルを聞いた試合後、ポポヴィッチ監督は東京ⅤのPKについて「映像で確認したい」と話しつつも、「2-0でリードをしていたわけですから、しっかりと勝点3をモノにしなければいけない試合だった」としている。
J1昇格を勝ち取るには、2対0のまま試合を終わらせる、2対1にされても逃げ切る、2対2に追いつかれてもさらに突き放す、といったしぶとさが必要になってくる。その意味ではもったいない試合をしてしまった町田だが、上位に食い込んでいける可能性を示した一戦でもあった。今シーズンの町田は、J1昇格争いへ加わっても驚きの声があがるチームではない。