■チョウ新監督のぶれることない戦い方
一方で、クラブチームの場合、リーグ戦では特定の試合の勝敗よりも、シーズンを通しての勝点数で順位が決まるのだから、今シーズンのJ1でいえば38試合、J2では42試合をトータルで考えなければいけない。従って、「その試合」に勝つために目先を変えることよりも、一つのやり方を貫いて完成度を上げることの方が重要な場合もある。
もちろん、これはチームの完成度や控え選手の能力にもよる。
J1リーグの絶対王者、川崎フロンターレは完成度の高いチームだから、“引き出し”も多く、すぐに戦い方を変えることができる。さらに、川崎は選手層が厚くて交代カードを豊富に持っているので、試合の途中で戦い方を変えることができる。
では、京都の場合はどうなのだろうか?
もちろん、僕は京都というチームのことについて詳しい情報を持っているわけではないが、現在の京都は新しい監督を招いて、現在はチーム作りを進めている最中のはずだ。川崎フロンターレとは、チームの状況、完成度はまったく違うのだ。
従って、今の段階では京都はころころとやり方を変えるよりも、基本的な形を継続し、チームの方向性をはっきりとさせるべきなのではないだろうか。
そして、開幕節では相手チームの分厚い守備の前になかなか得点を奪えなかったものの、やり方を大きく変えることなく戦って、最後は2点を奪って勝利できたのだ。長いシーズンの最初の試合としては非常に良いスタートと言っていいだろう。