25分にシティのポゼッションは74%に達し、バーンリーの選手たちは[4-4-2]のブロックで右往左往するばかり。そして怒涛の勢いは衰えず、38分にギュンドアンの右からの折り返しを、中央でスターリングが押し込んで2点目――。

 こうして前半だけで勝負は決したように思われたが、瀕死のバーンリーに対して、ペップは無慈悲に畳みかける。64分、カンセロに代えて、オレクサンドル・ジンチェンコを投入。ディアスとラポルテの2バックに、ジンチェンコとロドリ、ストーンズの3ボランチ、そして残りの5枚を前線に配置するという、いわば[2-3-5]の布陣である。

 並のチームであれば、2-0とリードして余裕のある試合展開では、自陣でブロックを築いて相手にボールを回させそうなものだが、やはりと言うべきか、ペップの思考は違った。超攻撃的布陣で、息も絶え絶えのバーンリーを窒息死させようとする。

 そしてさらにペップが“凄み”を見せつけたのは、87分のことだ。FKのセットプレーからの流れで、ボールが自陣に戻ってきた時、TVカメラが抜いたスキンヘッドの指揮官の表情は、実に不満気だったのだ。これだけバーンリーを圧倒していながら、一体何が問題だというのか――。

 一方的にボールを支配してスコアは2-0で迎えた試合終了間際、ストーンズがGKのエデルソンに戻したパスに納得がいかなかったペップ。完璧主義者の理想は果てしなく高い。

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