■後半も攻撃スイッチは長谷部から(シャルケ戦)
後半に入ると、センターバックのマルティン・ヒンターエッガーが故障のため53分に交代を余儀なくされ、長谷部はポジションを下げてセンターバックに入った。
最終ラインに入ったことで、その後は当然、守備の仕事がメインになる。しかも、ちょうどこの交代の直後にはシャルケが攻撃に人数を割いてきたこともあって、長谷部のカバーリング能力が生かされる場面が続いた。
しかし、シャルケの攻勢も長くは続かず、再びフランクフルトがポゼッションを高める。すると、長谷部は最終ラインから再び攻撃のタクトを振るうこととなった。
もちろん、自ら前のスペースに上がっていく場面はほとんどなかったが、最終ラインでボールを持ってしっかりとタメを作ったのだ。この間に、中盤の選手がしっかりと展開してパスコースを作る。その瞬間に攻撃開始の合図となるパスを出すのだ。
たとえば、良きタイミングを見計らって左のDFエヴァン・エンディカにパスを付けることによって、その後、エンディカから左サイドハーフのフィリップ・コスティッチを経由してボールが前線に運ばれていく。重要なのは、長谷部からエンディカにパスを出すタイミングであり、それによってボールはオートマティックに運ばれていくことになるのだ。
まさに、攻守にわたってサッカーというゲームを深く理解している長谷部だからこそできるプレーだった(なお、シャルケ戦は終盤にフランクフルトに復帰したばかりのルカ・ヨヴィッチの連続ゴールでフランクフルトが3対1で勝利した)。